ブランドコミュニケーションブック「YMfg」Vol.14——三都を動かす若い力が、街の"あした"を照らす
「地域の豊かな未来」を、地域の皆さまと共有したい——。
山口フィナンシャルグループ(YMFG)が定期発行するブランドコミュニケーションブック「YMfg」は、そんな思いから生まれました。この街に確かに存在する、"あしたを託したい、あしたを照らしてほしい"人や取り組みを紹介しながら、山口・広島・北部九州(三都)の魅力を、暮らしや文化、産業まで「YMFGらしい視点」で掘り下げていきます。
Vol.14の特集テーマは、「若い力、街が動き出す(emerging)」。
迷いながらも前へ進む若者たちの光は、驚くほどクリエイティブ。そして時に荒削りで、遊び心を忘れない人間らしさもまた、個性となって輝きを放ちます。そんな彼らと手を取り合い、未来をもっと豊かにしていくために——。今回の特集では、独自の解釈で街に新たな役割を与える若手プレイヤーに注目し、彼らが生み出すみずみずしい躍動と、その先に広がる三都の可能性を見つめました。
表紙を飾るのは、北九州出身のアーティスト・11(イレブン)
北九州市出身の11さんは、スイスや香港などで学生時代を過ごし、2022年に本格的な音楽活動を開始。3カ国語を自在に操るリリックと強いエネルギーで注目を集め、日米を股にかけるラッパーMIYACHIにもその才能を評価されています。今年4月にはヒップホップの祭典「POP YOURS」にも出演しました。
「海外を行き来して育ったので、土地や人に縛られない軽さは大事だなって思います。それでも、いつも心が帰る場所は北九州にある母の実家。北九州というホームがあるから、軽やかにまた次の場所を目指せるのかもしれません」
帰れる場所を持ちながら、風のように生きること——その姿は、Vol.14が描く「若い力」の象徴です。
三都を動かす若い力がありました
山口:5つの顔で下関を束ねる、日下まりあの街づくり
山口県下関市で活動する日下まりあさんの名刺には、「聞く・聴く・話す」「書く・描く・まとめる」「考える・進める」「編集する・発信する」「下関を面白がる」と書かれています。一言で表現するのが難しい彼女の活動を、5つの側面に分け、何を考え、何に取り組んでいるのかについて話を聞くと、そこから下関の未来の可能性が垣間見えてきました。
①本屋手伝いの顔 ——下関市唐戸市場近く、50年あまり続く〈梓書店〉で、店主・月岡智子さんとともに地元の人々が文化と出会う場をつくる。
②メディア主宰の顔 ——ローカルメディアプロジェクト〈日々下関〉を運営し、街の「!」を見つけて広げる。
③企画屋さんの顔 ——「中学校の探究学習を手伝ってほしい」など、日々持ち込まれる相談を企画にして応える。
④イベンターの顔 ——空き店舗をアートギャラリーに見立てた〈TipTie〉では、600人もの来場者を集めた。
⑤社会活動家の顔 ——ゴミ拾い活動〈グリーンバード下関チーム〉を発足し、市の総合計画にパブリックコメントを提出する〈#パブコメしようぜ〉も実施。
広島:民俗芸能のアップデート——現役大学生・片桐萌絵の挑戦
広島大学の現役学生でありながら、〈とらでぃっしゅ株式会社〉代表取締役を務める片桐萌絵さん。3歳の頃から愛知県の「古川花祭」の囃子方を務める生粋の祭り好きで、2025年に会社を設立し、各地の民俗芸能の現場を飛び回っています。
全国に30万件ほどあるといわれる祭りや郷土芸能。けれど人口減少や後継者不足、社会構造の変化により、地域ごとに受け継がれてきた民俗芸能は失われつつあります。そんな現状に待ったをかけたい——その思いから、片桐さんは〈とらでぃっしゅ〉を起ち上げました。
事業は、民俗芸能の知名度向上やSNS運用、インバウンド対応、担い手の確保など、それぞれの祭りが抱える課題に対し伴走型支援を行うこと。時には排他的なイメージもある地域の祭りに、丁寧に対話を重ねながら入り込みます。
「やっぱりお祭りが好き、その気持ちが行動を起こすエネルギーになりました」
民俗芸能を100年先、200年先まで継承し進化させていくために。"伝統を仕事にした"大学生社長の挑戦は、地域の宝を未来へとつなぎます。
北九州:卒業後の進路は宇宙——佐藤凜が描く軌道
「宇宙兄弟」のアニメに感化され、小学6年生のときに宇宙飛行士を志した佐藤凜さん。中高一貫の進学校から医学部を目指す同級生たちの中で、自分の夢をもう一度問い直し、九州工業大学・宇宙システム工学科の門を叩きました。
2030年代に宇宙関連産業を1000億円規模に拡大する目標を掲げる北九州市。その挑戦の中核を担う研究機関が、小型・超小型衛星の運用基数で8年連続世界1位を誇る九工大です。佐藤さんは「缶サット」開発から始まり、超小型天文衛星〈VERTECS〉の開発に参画。そして2025年、世界初の超小型衛星試験センターを擁する北九州の地の利を活かしたサービス提供を目指し、スタートアップ〈Kick Space Technologies〉を創業しました。
「手のひらサイズの衛星で、宇宙業界を変えたい」
オフィスは九工大キャンパス内。メンバーは工学部宇宙システム工学科の学生と卒業生を中心に16名が在籍。アメリカの宇宙ベンチャーを視察してヒントを集め、地場企業や行政と提携しながら、宇宙産業に注力する北九州の地の利を活かしたサービス提供を目指します。
「北九州から、次は火星へ」——この街で育った夢が、いま小さな衛星となって宇宙へ打ち上げられる。次世代の起業家を支える側にも立ちはじめた佐藤さんの軌道は、まだ始まったばかりです。
三都で「表現者」として生きる若者たち
生まれ育った三都の街を拠点に、表現者として生きる道を選んだ若者の思考と衝動を覗き見る企画「若手表現者の頭んなか」。山口県のイラストレーター・コサカダイキさん("今っぽいモチーフの中に光を描く")、広島県の映像作家・笠井美里さん("枠組みを超えて映像表現を追求")、北九州のブレイカー・Aisatsuさん("音楽と一体化したパワームーブで未踏の世界へ")の3名にお話を聞きました。
地域がもっと好きになる!連載企画のご紹介
連載企画「YMfgのあした考」では、YMFG社員自身が街の未来について語ります。第9回となる今回のテーマは、「僕たち私たちが見たい街のあした」。「公園の整備でこどもが思いきり運動できる場をつくりたい」「YMFGのマスコットキャラクターをつくってみたい」「川辺の活動が日常に溶け込み、広島がもっと『川の街』として輝いてほしい」——若手社員のリアルな声を3つの質問とともにお届けします。
「あしたのランチ何食べる?」では、YMFG社員がリアルに通うランチの名店を紹介。今回は山口・宇部市〈霜降山カフェ〉のきまぐれ農園ランチ、北九州〈あったか堂〉のおむすびとお惣菜、広島・酒蔵通り〈カフェトレカサ〉の蒸籠蒸しランチをピックアップしました。
「わたしを変えた住空間」では、広島県・田万里に移住した井本喜久さん・彩織さん夫妻を訪問。「食」と「農」をテーマに〈田万里家〉を開き、土に触れる暮らしへと舵を切った夫妻の選択を辿ります。
「三都の雑貨物語」では、毎号ひとつのテーマに沿って三都の品々を紹介。今回のテーマは"三都ならではの伝統が息づく行楽雑貨"。お出かけの時間に伝統をそっと添える、三都の逸品が並びます。
そして「ラブレター from 横浜」では、作詞家・小説家の児玉雨子さんが、北九州・小倉の祖父母との記憶を「俳句コンクールと肉ごぼ天うどん」に重ねて綴ります。
「あした新聞」——明日につながるトピックスをお届け!
巻末の「YMfg あした新聞」では、新しい施設からYMFG社員の働き方まで、"明日につながる最新トピックス"をお届けします。
Growthでアイデアの事業化に挑戦!
YMFG社員が自ら起案した新規事業の実現にチャレンジできるプログラム「Growth」。今年のグランプリは、YMFGキャピタルの野﨑維摩さん率いる部署を超えた連携チームでした。九州工業大学の德永旭将教授が進める、製造業における外観検査の自動化——「現場で使えるAI」技術の社会実装を後押しすべく、YMFG ZONEプラニング・山口地域共創室や同大学社会実装本部のメンバーも合流。経験や専門知識が異なる多彩な顔ぶれが集結し、技術と製造現場の橋渡し役を担うことで、地域の製造業を後押しする事業プランの実現を目指します。
山口市の高齢者を対象に「ずっと元気プロジェクト」
地域金融機関によるSIB事業として全国初となる「山口市ずっと元気プロジェクト」が始動。YMFG ZONEプラニングが山口市内の事業者と連携し、高齢者を対象としたQOL向上や社会活動への参加につながるプログラムを2025年12月から5年間実施します。社会課題解決のための官民連携の枠組みである成果連動型民間委託契約方式(PFS)の一種で、地域金融機関が担い手となる事例は全国初です。
愛され続けるお菓子屋さん「宝来屋」事業承継
1946年(昭和21年)に山口市中河原で創業し、市民の日常に寄り添う"街のお菓子屋さん"として愛され続けてきた〈宝来屋〉の事業承継。2024年に廃業予定との相談を受けた山口銀行山口支店の担当者・金子祥太は、市民の愛着と思い出がつまった味を途絶えさせまいと、市内で企画運営や広告デザイン事業を営む〈オオバクリエイティブ〉を承継先としてつなぎ、〈宝来屋〉の歴史と味を引き継ぐスピード感ある事業承継を実現しました。
地域の「いま」を、次の「豊かな未来」へつなぐために
下関で5つの顔を使い分けながら街の余白を設計する社会活動家がいる。広島で民俗芸能を仕事にしようと挑む現役大学生社長がいる。北九州から手のひらサイズの衛星で宇宙業界を変えようとする若き創業者がいる。
迷いながらも前へ進む若者たちの光は、驚くほどクリエイティブ。そして時に荒削りで、遊び心を忘れない人間らしさもまた、個性となって輝きを放ちます。
YMfg vol.14を通して、若い力が街を動かし、三都の明日を照らすこと、YMFGが思い描く「地域の豊かな未来」を共有できれば幸いです。
ページをめくるたびに、三都のどこかで息づく若い力の躍動が、あなたの明日のヒントになりますように。