ブランドコミュニケーションブック「YMfg」Vol.15――三都と世界をつなぐ挑戦

ブランドコミュニケーションブック「YMfg」Vol.15――三都と世界をつなぐ挑戦

山口フィナンシャルグループ(以下、YMFG)が定期発行するブランドコミュニケーションブック「YMfg」では、「地域の豊かな未来」を地域の皆さまと共有するため、この街に存在する「あしたを託したい、あしたを照らしてほしい」人や取り組みを、YMFGらしい視点で紹介しています。

Vol.15のテーマは、「三都から世界へ。世界から三都へ」

YMFGの主要な営業エリアである山口・広島・北九州の三都には、自然、食、歴史、工芸、芸能など、それぞれの土地で育まれてきた多彩な営みがあります。その中には、地域に根ざして技術や表現を磨き、海を越えて新たな市場や文化と出会うことで、可能性を広げている人や企業があります。

一方、海外から三都へやって来た人たちも、この地域ならではの文化や暮らし、人とのつながりに魅力を見いだし、それぞれの経験や視点を生かした活動を始めています。

地域から世界へ挑戦することで、その土地が育んできた価値が改めて見えてくる。外からのまなざしによって、私たちが気づいていなかった地域の魅力が照らされる。

本号では、三都と世界を行き交い、新たなつながりを生み出す企業や人々の物語を紹介します。

表紙を飾るのは、レノファ山口FCレディース・田中陽子選手

山口県出身のプロサッカー選手、田中陽子さんは、元U-17・U-20日本代表、元なでしこジャパンとして活躍し、スペインと韓国でのプレーを経て、レノファ山口FCレディースに加入しました。

海外での経験を通じて視野が広がり、プレーにも物事への向き合い方にも奥行きが生まれたという田中さん。海外で培ったトップレベルの戦い方を地域で体現し、子どもたちに海外へ出ることや夢を追うことの素晴らしさを、自分の言葉で伝えていきたいと語ります。

世界で得た経験を故郷へ持ち帰り、次の世代へ伝えていく。その姿は、本号のテーマを象徴しています。

YMFGブランドCM第5作のご紹介―地域から世界へ、ともに挑む

YMFGは、2026年10月に設立20周年を迎えます。この節目を「ゴール」ではなく「スタート」と捉え、ブランドCMの第5作目となる「海の向こうで」を公開しました。

第1作から自分らしい生き方を模索してきたイノリの挑戦の舞台が、今作では地域から世界へと広がります。YMFGの支援を受けて日本酒ブランドを立ち上げ、担当銀行員のユズとともに、海外市場への販路拡大に挑むストーリーです。

環境の変化や経験不足を前に、世界という大きな「壁」に戸惑うイノリ。それでも、人とのつながりを力に一歩を踏み出すことで、越えられないと思っていた「壁」が、未来へ進むための「扉」へと変わっていきます。

「壁」だと思ったら、「扉」だった。

CMでは、新たな市場への挑戦も、思いがけない出会いから生まれるイノベーションも、誰かの小さな一歩から始まることを伝えています。

海外へ出ること自体を目的とするのではなく、その先にある未来を地域の皆さまと共に創ること。地域に根ざしながら世界へ視野を広げる人や企業に寄り添うYMFGの姿勢を表現したCMのメッセージは、本号の特集テーマとも重なります。

三都が育んだ技術と文化、それぞれの世界への挑戦

山口県・ヤナギヤ|世界に広がるSURIMI文化

工場

山口県から紹介するのは、宇部市に本社を置く株式会社ヤナギヤです。地域のかまぼこ製造業から始まった100年を超える歴史を持つメーカーで、現在はカニカマ製造機械で世界トップシェアを誇り、世界20カ国以上と直接取引を行っています。

ヤナギヤが掲げるのは、「“おいしい”をつくる機械屋さん」という考え方です。顧客との対話を重ね、求める食感や品質に合わせて装置を調整し、難しい依頼にも「やってみましょう」と向き合ってきました。

納品後も丁寧なメンテナンスを行い、小さな約束を守り続ける。日本でも海外でも変わらない誠実な姿勢が、世界からの信頼につながっています。

また、長年磨いてきた「練る・混ぜる・成形する」技術を生かし、チーズやペットフードなど、新たな領域にも挑戦しています。宇部で培われた技術と、顧客の要望から逃げずに向き合う姿勢が、世界に広がるSURIMI文化を支えています。

北九州・小倉縞縞|進化する伝統は美しい

北九州から紹介するのは、江戸時代から続く小倉織を現代へつなぐ「小倉縞縞」です。

昭和初期に一度途絶えた小倉織は、1984年に復元・再生されました。その伝統を受け継ぎながら、現代の暮らしに合う織物として2007年に誕生したのが「小倉縞縞」です。目指しているのは、「日本の生地」にとどまらない「世界基準の生地」です。

2011年に初出展したミラノデザインウィークを契機に、小倉織は「空間の中で生きる素材」として、建築家やインテリア関係者から注目されるようになりました。台湾のホテルや国内外の家具ブランドとの協業にも広がり、世界の文化や暮らしに溶け込む生地へと進化を続けています。

伝統をただ守るのではなく、技術やものづくりの軸を大切にしながら、新たな環境や用途に挑戦する。その進化を次の伝統へつなげようとする姿勢が、小倉織の可能性を世界へ広げています。

広島県・よつめ染布舎|型染から生まれる世界語

広島県から紹介するのは、鎌倉時代から続く型染に独自の感性を重ねる「よつめ染布舎」の小野豊一さんです。

広島県北広島町の老舗染物屋に生まれ、染物職人として修行に励み、「“自分の文様”を描きたい」という思いから2015年に独立しました。鳥や風景、文字、スカルなど、自由な発想から生まれる作品は、世界の約10店舗で取り扱われています。

最初から世界で受け入れられることを目指して生まれた表現ではなく、自らがつくりたいものを追求した先に生まれた文様が、言葉を使わず海を越えています。

地域で受け継がれてきた型染の技法に、今を生きるつくり手の感性が重なることで、その文様は、国や言葉の違いを越えて人の心に届く「世界語」になろうとしています。

世界から来た人が、三都の魅力を照らす

「ニッポンに挑む人」では、海の向こうから三都へやって来て、この地域で活動する3人を紹介しています。

山口県で20年以上暮らす翻訳者のJim Rionさんは、日本酒への興味から山口県内のすべての酒蔵を取材し、海外へ紹介する本を執筆しました。日本の大ヒットホラー作品『変な絵』の翻訳にも取り組み、自らが興味を持ったものを掘り下げ、まだ見ぬ読者へ伝えています。

北九州を拠点とする建築家・デザイナーのYangさんは、「小倉縞縞」との協業を通じて、日本の伝統工芸と向き合いました。日本で感じた丁寧さや繊細さと、イギリスで培った自由な発想を重ね、建築に加えて家具やブランディングへも表現領域を広げています。

広島県北広島町へ移住した起業家・インフルエンサーのKiraさんは、日本各地を旅する中で神楽と田楽に出会いました。地域の舞踊団に参加しながら民俗芸能の魅力を発信し、古民家ステイなど、地域文化に触れる体験を企画する「煌めき」を立ち上げています。

地域で暮らす人には当たり前に見えるものも、外から来た人のまなざしを通すことで、新たな価値として見えてくることがあります。3人の活動は、地域の魅力を世界へ伝えると同時に、私たち自身が三都の価値を見つめ直すきっかけにもなっています。

地域と世界をつなぐ連載企画

YMfgのあした考|世界進出の一歩をともに

連載「YMfgのあした考」第10回のテーマは、「世界進出の一歩をともに」。YMFG、中小企業基盤整備機構、JETRO、JICA、JBICの担当者が、地域企業の海外展開について語り合いました。

中小企業基盤整備機構が企業の経営計画や強みを整理し、JETROが市場や規制、商習慣などの情報を提供する。JICAが現地ニーズや社会課題を把握し、JBICが資金調達を支える。そしてYMFGが地域企業に寄り添い、各機関をつなぎます。

それぞれの支援を「点」で終わらせず、結び付け、総合的な支援体制をつくることで、企業が一人で課題を抱え込まない形をつくる。海外進出そのものを目的とせず、企業が目指す未来を実現するための選択肢として、その一歩を支えています。

あしたのランチ何食べる?|海外赴任者が選ぶ、三都の恋しい味

今号は「世界」のテーマに合わせ、中国に赴任しているYMFG社員が登場。海外で暮らす3人に、離れているからこそ思い出す「三都の恋しい味」を聞きました。

北九州の「ぷらっとぴっと 1・2番ホーム」のかしわうどん、広島県の「味億」のニンニクラーメン、山口県の「蘭蘭」の豚キムチラーメンと、偶然にも3人全員が麺料理を選びました。海外から故郷へ思いを寄せる社員の記憶とともに、三都の味を紹介します。

YMfg あした新聞|岡田頭取が描く北九州銀行の未来

巻末の「YMfg あした新聞」では、地方銀行で最年少となる50歳で北九州銀行の頭取に就任した岡田頭取を取材。2011年の開業時から同行の歩みに携わってきた岡田頭取が、開業15周年を「第2創業期」と捉え、次の成長に向けた構想を語ります。

AIを活用して業務の質を高める一方、お客さまの言葉になる前の思いを引き出すのは、人にしかできない仕事。テクノロジーと「伴走力」をどう掛け合わせ、北九州銀行の未来を切り拓くのか。

最年少頭取が描く、新しい地方銀行の姿に迫ります。

地域の物語を、次の「あした」へ

宇部で磨かれた技術が、世界の食文化を支える。北九州で受け継がれてきた織物が、世界の建築やインテリアを彩る。広島で生まれた文様が、言語を越えて人々の心に届く。

一方、世界から三都へやって来た人たちが、地域の文化や暮らしの中に新たな価値を見つけ、その魅力を次の人へ伝えています。

「YMfg」が届けたいのは、「世界で認められている」「世界で通用する」という結果だけではありません。一歩を踏み出すまでの思いや、守り継いできたものへの向き合い方、人との出会いによって挑戦が形になっていく過程も含めて、地域の物語としてお伝えしたいと思っています。

三都から世界へ。世界から三都へ。

ブランドコミュニケーションブック「YMfg」Vol.15を通じて、ご自身の街に息づく人や文化、挑戦に目を向け、地域にとって世界が意外と身近にあることを感じていただければ幸いです。