当社グループは、すべての事業活動の基軸となる「使命・存在意義(パーパス)」を定め、社員が活き活きと活躍できる環境・機会を共に創り、一人ひとりが働きがいをもって成長することで組織文化を変容させ、グループ一体となって「地域・お客さまへの価値提供最大化」および「新たな価値創造」に取り組んでいくことを目指しています。
マテリアリティに「人材育成・研修機会の創出」「安心・安全な労働環境作り」「多様な人材の活躍」を特定しており、人的資本経営および多様性の推進を重要課題として捉えています。
2025年度よりスタートした「YMFG中期経営計画(2025年度~2029年度)」では、経営戦略と連動した「人財マネジメント戦略」を策定しており、社員の「働きがい」と「働きやすさ」を追求することで、経営戦略の実現に向けた組織内の人財ポートフォリオが充足した状態を目指しています。
「働きがい」の追求においては「社員のキャリア自律度向上」を、「働きやすさ」の追求においては「社員のウェルビーイング向上」をテーマに掲げ、各テーマの柱となる取り組みに基づき、各種施策を推進していきます。
社員一人ひとりが自律的に学び続けることが、専門性の向上およびお客さまへの価値提供の高度化につながるとの考えのもと、自己啓発を促進する企業文化の醸成に取り組んでいます。
その実現に向けて、社員が自らの成長課題を認識し、必要な学びを主体的に選択・実践できる環境の整備を進めており、役割やスキルレベルに応じた学習機会の提供や、全社員が利用可能なオンライン学習サービスの導入により、時間や場所にとらわれない学習環境を整備しています。今後は、基礎学習をオンライン学習サービスで標準化し、研修(集合・オンライン)をより実践的な内容に転換することで、学習と実務の接続性を高めていきます。
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
|
|
教育投資額 |
70百万円 |
143百万円 |
220百万円 |
154百万円 |
254百万円 |
|
総研修時間 |
約35,900時間 |
約36,900時間 |
約55,900時間 |
約69,700時間 |
約79,700時間 |
|
総研修受講者数(延べ人数) |
約4,200名 |
約5,500名 |
約8,700名 |
約9,400名 |
約9,200名 |
|
対象領域・対象者 |
目的 |
主な研修 |
|
コーポレート部門領域 |
経営人財の育成と企画・管理部門の強化 |
|
|
成長戦略領域 |
ケイパビリティ獲得に向けた外部知見・人財の導入 |
|
|
事業ポートフォリオ領域 |
法人・市場対応力のスキル強化と専門性向上 内部事務担当者育成強化 |
|
|
全社員対象 |
マネジメント力やポータブルスキルの強化 |
|
社員一人ひとりが自らキャリアを描き、その実現に向けて主体的に行動できる環境の整備を進めています。
具体的には、タレントマネジメントシステムを活用し、社員のスキルや経験を可視化することで、社員自身の現在地と成長課題を把握できる仕組みを構築しています。また、特定分野でのキャリアアップを志向する人財を対象とした「専門コース」の設置や、本部部署・グループ会社が挑戦意欲のある社員を募る「キャリア公募」等の実施により、社員が自ら成長機会を選択できる環境を整備しています。
引き続き、キャリアモデルや必要スキル、対応する社内外の研修等を明示していくことで、社員が将来のキャリアを具体的にイメージしながら自律的に行動できる状態の実現を目指します。
さらに、年1回、社員のキャリア自律に関するアンケート調査を実施することで、学習行動やキャリア形成意欲の変化を把握しています。その結果をもとに課題の把握を行うとともに、各種施策の見直し・高度化に反映しています。
社員のキャリア自律度(※)
- 最大5.00ptで評価
社員のキャリア自律度(※)
- 最大5.00ptで評価
社員の働きがいを引き出す職場単位での人的資本経営の実践に向けて、マネジメント力強化およびマネジメント支援に資する体制整備に取り組んでいます。
具体的には、階層別のマネジメント研修をはじめ、上司部下間の対話・傾聴の強化を目的とした「1on1ミーティング」、マネジメントにおける自己認識と他者認識のギャップを明らかにして行動変容を促す「360度フィードバック」、無意識の思い込みや偏見の解消に繋げる「アンコンシャス・バイアス研修」等を実施しています。また、各職場において、上司がタレントマネジメントシステムを活用し、部下社員の保有スキル、希望キャリアおよびエンゲージメント状態を把握可能な体制を整備することで、個々の状況に応じた適切な支援や育成につなげています。
多様な人財の活躍推進に向けて、DE&Iに関する理解促進や多様な人財の採用・登用、公平なキャリア開発機会の提供等を継続的に実施しています。
当社社員のDE&Iに関する理解度を高め、各現場や社員間において積極的に多様性が活かされる組織づくりを進めるとともに、地域のDE&I推進をけん引するリーディングカンパニーを目指します。
多様性人財(※)管理職比率
- 多様性人財:女性、外国人、経験者採用者、アルムナイ、副業従事者、外部出向経験者
経験者採用による入社者数
- アルムナイ:当社を一度退職し、再度雇用された社員(2021年12月より採用開始)
また、多様性を組織の力とつなげるべく、当社グループでは採用の入口から多様性を確保することを重視し、新卒・経験者に留まらない、幅広い採用チャネルの構築を進めています。加えて、副業者の受入れ等も含め、多様な人財の参画機会の拡充に取り組んでいます。
1.女性活躍推進
当社グループ社員の約半数を占める女性社員の活躍フィールドの拡大について、経営の重要なテーマのひとつとして位置付けています。
将来の経営人財の育成に向けた人財プールの拡充を目的として、管理職未満の女性社員向けキャリア形成イベント「YMFG Women’s Day(※)」、女性リーダー早期育成プログラムとしての女性リーダーシップ研修、女性社員の管理職ネットワーク「なでしこ塾」等、階層別・目的別の取り組みを実施しています。また、若年層におけるジェンダーギャップの早期是正を目的として、営業店配属の新入社員全員を法人営業に配置する取り組みも、2024年度より継続しています。
- YMFG Women’s Day:代表取締役社長CEOをはじめ役員が参加するラウンドテーブルや女性ロールモデルとの対話セッションなどをプログラムとし、女性社員のキャリア形成支援やキャリアアップを目指す女性社員同士のネットワーキングを目的としたオフラインイベント
職階別女性比率(2025年度末基準)と対応するプログラム
- 管理職:労働基準法上の「管理監督者」および同等の権限を有する者(部長、支店長、次長、課長)
- 管理職候補職:管理職の1つ手前の職位者(支店長代理)
- 係長職:管理職候補の1つ手前の職位者
職階別女性比率(2025年度末基準)
- 管理職:労働基準法上の「管理監督者」および同等の権限を有する者(部長、支店長、次長、課長)
- 管理職候補職:管理職の1つ手前の職位者(支店長代理)
- 係長職:管理職候補の1つ手前の職位者
対応するプログラム
なお、当社は、厚生労働大臣が女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する取り組み状況が優良な企業に対して認定する「えるぼし(2段階目)」に認定されています。
2030年3月末までに女性管理職比率15.0%以上とする目標を設定しており、役員等によるリーダー層(管理職候補職・係長職)の女性社員へのメンタリングや、ロールモデルとなる女性管理職と若手社員との対話機会創出にも取り組んでいます。
女性管理職比率
リーダー層への女性登用率(※)
- リーダー層への女性登用率=リーダー層への女性登用者数/リーダー層への登用者数
こうした取り組みを通じ、女性の活躍フィールドを社員層から管理職、さらには経営層へと広げていきます。
多様な視点を意思決定に反映させる観点から、取締役会におけるジェンダーの多様性確保を重要なテーマと位置付けており、経営トップ層における女性比率向上を目指す国際的なイニシアティブである「30% Club Japan」に加盟し、その趣旨に賛同しています(当社における2025年度末時点の取締役に占める女性比率:27.3%)。
2.男性社員の育児参画支援
ジェンダーギャップ解消の観点から、男性社員の育児参画も非常に重要であると考えています。
2023年度に育児休暇(※)を新設し、男性社員が育児参画しやすい環境を整備しました。これにより、男性育休取得率は100%以上の水準を維持しています。
-
育児休暇:法定休業としての育児休業とは別に、当社が定める育児目的の休暇(有給休暇)で、子の出生後8週間以内に最大10日間まで取得可能
男性社員の育休(※)取得率
- 育休:育児休業、産後パパ育休、育児休暇
男性社員の育休平均取得日数
また、男性社員に対して1か月以上の育休取得を推奨する働きかけを継続した結果、2025年度の平均取得日数は大幅に増加し、2024年度の取得実績と比較して、ボリュームゾーンにも大きな変化が見られました。
男性社員の育休取得日数の分布
男性社員の育休取得日数の分布
3.仕事と育児の両立に向けた支援
性別を問わず、仕事と育児の両立を支援する制度の整備に加え、育児期の社員を応援する職場風土の醸成にも取り組んでいます。
引き続き、社員一 人ひとりの「仕事と自己実現の両立」が可能な環境づくりを進めていきます。
- 不妊治療や不妊に関連する検査などで通院が必要な場合に取得可能な休暇(有給休暇)
- 男性社員の育休取得推進に向けた施策のひとつ
- 医師または助産婦の証明書を提出した、 6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性社員が取得可能な休暇(有給休暇)
- 法定休業としての育児休業とは別に、当社が定める育児目的の休暇(有給休暇)であり、性別を問わず、すべての社員が対象(ただし、産後休暇を取得する社員は時期重複のため取得不可)
- 性別を問わず、パートタイマー・嘱託社員を含むすべての社員が対象
- 育児・介護休業法に基づき、最大で子が2歳となる日の前日まで延長可能
- 1週間の所定労働日数(3日間~5日間)と、1日の所定労働時間(最短4時間~)より選択可能
4.多様な働き方の実現「副業」
山口フィナンシャルグループは、地方銀行として先駆けて2019年4月に副業を解禁し、社員の多様な働き方の推進と能力開発にいち早く取り組んできました。持続的な企業価値の向上および地域社会への貢献を実現するため、社員一人ひとりの専門性向上と自律的なキャリア形成の支援を目的として導入したものです。
近年、地域経済を取り巻く環境は大きく変化しており、金融機関には従来の金融仲介機能に加え、企業の経営課題解決に資する高度な付加価値の提供が求められています。
こうした背景を踏まえ、当社では社員が社外活動を通じて多様な知見や経験を獲得し、その成果を本業に還元することで、組織全体の提案力および課題解決力の高度化を図るとともに、地域企業の成長や地域経済の活性化に貢献しています。なお、2026年3月末時点での副業件数は62件となっています。
パートタイマーを含むすべての社員を対象とする評価制度を導入しており、「目標設定」「期中対話」「評価」「フィードバック」という一連のプロセスのもと、評価における納得感向上や社員自身の成長に向け、取り組んでいます。
なお、多様な人財の活躍推進を目的として、2024年4月に評価制度の一部を改定して以降、その着実な運用と定着に注力しています。
役割や職務内容に応じた公正・公平な処遇を基本とし、年次や性別等の属性に関わらず、担う責任や成果に見合った処遇となるよう制度の整備と運用を行っています。報酬体系は、基本給を軸としつつ、賞与を組み合わせた構成としており、賞与についてはグループ全体の業績や個人の貢献度(評価)を考慮して支給しています。また、株価や業績と社員の処遇の連動性をより高める制度として、2023年5月に、株式給付信託(J-ESOP)も導入しています。
なお、ベテラン・シニア社員については、55歳以降および定年再雇用後の処遇の見直しを実施し、経験や専門性を活かした活躍を支えています。また、若手社員等の抜擢登用を可能とするため、等級制度についても運用の見直しを行い、年次にとらわれない登用や処遇が行えるよう取り組んでいます。
社員がいきいきと働くことのできる社内環境の整備と、社員の健康づくり支援に継続的に取り組んでいます。
具体的には、復職制度・短時間勤務制度・フレックスタイム制度の導入、テレワークの実施、事業所内保育所の開設など様々な取り組みを行っている他、社員の健康増進に向けた社内プロジェクトを立ち上げるとともに、ヘルスケアアプリを活用した各種健康増進施策を展開しています。また、2024年度より健康経営を積極的に推進する部署を表彰する表彰制度も実施しています。その他、健康状態の把握や健康意識の向上・行動変容の機会提供となる外部サービスの実証実験や、女性特有の健康課題に関するセミナー等も実施しています。
また、 制度休暇(※)の取得に向けた啓発活動も継続している他、健康状態が業務パフォーマンスに与える影響にも着目しています。
- 制度休暇:連続休暇(5日)、リフレッシュ休暇(10日)からなる合計15日間の有給休暇
制度休暇取得率、プレゼンティーイズム数値(※)
- プレゼンティーイズム数値:社員へのアンケート調査にて算出(自身の仕事の量・質・実績の3項目について、不調のない状態でのパフォーマンスを100%とした場合の活性度(%)を自己評価した、全項目の平均値)
制度休暇取得率
プレゼンティーイズム数値(※)
- プレゼンティーイズム数値:社員へのアンケート調査にて算出(自身の仕事の量・質・実績の3項目について、不調のない状態でのパフォーマンスを100%とした場合の活性度(%)を自己評価した、全項目の平均値)
制度休暇の取得状況は休養機会の確保という「行動」面を、プレゼンティーイズム数値は健康課題が生産性に与える影響という「状態」面を、それぞれ示す指標です。これらを併せて把握することで、休暇取得の促進にとどまらず、社員が心身ともに良好な状態で働けているかを多面的に捉え、職場環境の改善につなげています。
なお、当社は、2026年3月に経済産業省および日本健康会議より、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されています。
当社グループは、社員の意識や当社グループにおける組織文化の状態を把握するため、毎年1回、社員意識調査を実施しています。
なお、2025年度は、2024年度まで実施してきた「満足度調査」について、「エンゲージメント調査」へのアップデートを実施しました。働きやすさ(=満足度)に加え、働きがい(=エンゲージメント)を高めていくことを目指す、人財マネジメント戦略における各種施策の効果測定に活かし、新たな課題の把握・改善にもつなげてまいります。
エンゲージメント調査結果(2025年度)
エンゲージメント調査結果(2025年度)
当社グループは、社員と経営層(代表取締役社長CEO、グループ内銀行頭取)が対話をする取り組みとして、2023年度より「YMFGタウンホールミーティング」を開催しています。毎年テーマを変えながら実施を継続しており、グループの方向性を示すだけに留まらず、様々な観点から相互理解を深め、考えや思いを共有する場としています。
|
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
2026年度 |
|
|
開催回数 |
20回 |
15回 |
15回 |
(実施中) |
|
参加者数 |
741名 |
352名 |
418名 |
エンゲージメント向上や働きやすい職場環境づくりに向けた取り組みを進める中で、人財の定着という形でも成果が表れています。
中長期的な観点では、離職率は低下傾向を示しており、短期的な観点でも、入社1年後の定着率も高い水準を維持しています。
離職率(定年退職含む)
入社1年後の定着率
従業員が会社の成長や中長期的な価値創造を自らの課題として捉え、主体的に関与しようとする姿勢を、人的資本の観点から重要な要素のひとつと考えています。その把握にあたっては、意識調査に加え、従業員の行動面の指標も参考としており、そのひとつが「従業員持株会」への加入状況です。従業員持株会は、従業員の中長期的な資産形成を支援するとともに、会社の成長と自身の将来を重ね合わせて考える機会を提供する制度であり、加入率の推移を通じて、企業への参画意識の広がりを把握しています。
なお、本制度は投資成果を目的とするものではなく、経営への参画意識の醸成を目的とした制度であり、加入は任意としています。
また、株式給付信託(J-ESOP)制度の導入により、株価や業績と従業員の処遇が連動する仕組みを整備し、企業価値向上に主体的に関わる意識の向上につなげています。
従業員持株会加入率
従業員持株会加入率