皆さまには、平素より山口フィナンシャルグループに格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
当社グループの主要営業エリアである山口県・広島県・福岡県の域内総生産(GDP)は約38兆円に達しており、ハンガリーやカタールといった一国家に匹敵する経済規模を有しています。一方で、人口減少や少子高齢化といった日本全体が直面する課題の先進地域であり、地域企業においても、後継者不足や人材難の解消、さらには脱炭素社会への対応やデジタル・トランスフォーメーションの推進など、多岐にわたる経営課題が顕在化しております。こうした地域課題の解決には、従来の融資を中心とした金融サービスの枠を超えた取り組みが不可欠であり、当社グループにおいては、対応領域を拡げ、地域課題の解決を経済的価値の創出へとつなげる、新たな価値提供が求められています。
このような認識のもと、当社グループは「YMFG中期経営計画(2025年度~2029年度)」をスタートさせました。本計画では、地域のお客さまが抱える多様かつ複雑な経営課題の解決を最大の提供価値と位置づけ、個別のお客さまの課題解決にとどまらず、地域全体を俯瞰し、街づくりのような「面」の視点での課題解決にも取り組む「地域課題解決のプラットフォーマー」への進化を目指してまいります。
本中期経営計画においては、「同舟共命型ビジネスモデルの確立」、「金融ビジネスの高度化」、「マルチバンク・シングルプラットフォームの深化」という3つの基本目標を定めており、これら3つのエンジンを連動させることで、当社グループのさらなる企業価値の向上を図っていきます。
まず、「同舟共命型ビジネスモデルの確立」では、地域や地域のお客さまと事業リスクを共有し、まさに“同じ舟”に乗ることで、融資・エクイティ・ソリューションを複合的に組み合わせた総合的な支援を行い、課題解決型の付加価値を地域社会に還元するビジネスモデルの確立を進めていきます。
そして、その下支えとなる「マルチバンク・シングルプラットフォームの深化」を図り、実質1つのプラットフォーム上で、複数行の営業を展開する現在の経営体制の効率化に一層磨きをかけるとともに、課題解決機能の実装も含め、より強固な経営体制の確立を目指してまいります。
さらに、規模の成長により、当社グループの強みである法人ネットワークのさらなる拡充を図るなど、「金融ビジネスの高度化」を進め、事業基盤を強化することで、「同舟共命型ビジネスモデルの確立」へと繋げてまいります。
当社グループは今後とも、地域社会の持続的な発展に貢献し、真に地域の皆さまのお役に立てる存在であり続けるべく、役職員一同、不断の努力を重ねてまいります。引き続き、皆さまの変わらぬご支援とご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。