この世界で。この街で。このじぶん。山口フィナンシャルグループ

 

自然資本・生物多様性への対応

当社グループは、2025年5月にTNFDフォーラム(※)のメンバーとなりました。
今後は、TNFDフォーラムへの参画を通じて、自然資本に関する国際的な議論や最新の知見にアクセスし、地域金融グループとしての立場から実効性のある取り組みを進めるための基盤を整備していきます。

※ TNFDフォーラム:TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures/自然関連財務情報開示タスクフォース)での議論を、専門知識を提供するステークホルダーとしてサポートする国際組織

TNFDフォーラムメンバーのロゴマーク

自然資本・生物多様性に関する基本的な考え方

当社グループの主要営業エリアである山口県、広島県、福岡県には、日本海や瀬戸内海に面した豊かな海洋資源、山地に広がる森林、河川や湿地など、多様な自然資本が存在し、地域の産業や暮らしに深く関わっています。これらの自然資本は、気候の安定化、水資源の供給、土壌の保持、生物への生息地の提供など、私たちの生活や経済活動を支える様々な生態系サービスを提供していますが、近年では気候変動の進行や土地利用の変化、過剰な資源利用など、あらゆる人間活動の影響によって自然資本の劣化や生物多様性の損失が深刻化しており、これらの課題に対して、企業への対応が強く求められるようになってきています。
当社グループは、地域金融グループとして、こうした自然資本の保全と再生に積極的に関与する責任があると考え、自然との共生を基盤とした経営を推進していきます。

金融グループと自然資本との関わり

当社グループは、金融サービスを提供する立場として、自然資本との関わりが直接・間接の両面において存在することを認識しています。
自社の事業活動における資源利用や環境負荷に加え、投融資を通じて関与する企業のバリューチェーン全体においても、自然資本への依存とインパクトが生じています。

YMFGの自然資本への関わり方イメージ図

自然資本・生物多様性の保全に向けた取り組み

自然関連の依存とインパクトの測定

事業活動における自然関連の依存とインパクトの大きさを評価するためのグローバルツールである「ENCORE」を活用し、グループ内3銀行の融資ポートフォリオにおいて、セクター単位での自然との接点の把握を目的とした初期分析を行っています。
分析の結果、融資ポートフォリオの傾向として、「依存」については「水」関連の生態系サービスへの依存が大きいこと、「インパクト」については「水・土壌への有害汚染物質の排出」や「攪乱(騒音・光など)」に対する影響が大きいことが分かりました。

グループ内3銀行の融資ポートフォリオ(自然への依存とおよび自然へのインパクト)

TNFD提言への対応

今後は、TNFDが推奨するLEAPアプローチ(※)に沿った検討を踏まえ、TNFD提言に沿った開示を目指してまいります。
LEAPアプローチは、自然資本との接点を特定し(Locate)、依存と影響を評価し(Evaluate)、リスクと機会を分析し(Assess)、対応策を検討・実行する(Prepare)という4つのステップで構成され、当社グループはこのステップに基づいて、自然資本に関する取り組みを段階的に深化させていく予定です。地域金融グループとしての役割を果たしながら、自然資本の価値を次世代へと繋ぐ活動を継続するとともに、自然資本に関する情報開示の充実を図っていきます。

※ LEAPアプローチ:TNFDによって開発された、自然関連課題を評価するための統合的なアプローチ